【解剖学】トレーナーが知っておくべき『僧帽筋』の役割と基礎知識

藤元大詩/Taishi Fujimoto

今回は解剖学シリーズということでトレーナーが知っておくべき『僧帽筋』の役割と基礎知識について解説します。肩甲帯の機能的な構造を理解する上で必ず知っておきたい知識のひとつです。

僧帽筋とは?

僧帽筋は肩甲骨上の筋群の中では、最も表層に位置する筋です。僧帽筋には上部線維と中部線維と下部線維の3つの線維があります。筋の付着部、線維の走行が違うため、それぞれの作用にも違いがあります。

https://fujimototaishi.com/2022/04/13/anatomy-scapula-trainer/

僧帽筋|起始・停止・支配神経・作用

僧帽筋 上部線維|起始・停止・支配神経・作用

僧帽筋の上部線維は、外後頭隆起と項靭帯から起始し、鎖骨の外側1/3後縁に停止する筋です。肩甲骨の上部に付着するため、主に肩甲骨の挙上(上方に引き上げる動き)に作用します。

僧帽筋 上部線維
起始 上部線維:外後頭隆起、項靭帯
停止 上部線維:鎖骨外側1/3後縁
支配神経 副神経(外枝)頚神経叢(C2~4)
作用 上部線維:肩甲骨の挙上

僧帽筋 中部線維|起始・停止・支配神経・作用

僧帽筋の中部線維は、第1〜6胸椎の棘突起から起始し、肩峰の内側と肩甲棘上縁に停止する筋です。肩甲骨の中部に付着するため、主に肩甲骨の後退(内に寄せる動き)に作用します。

僧帽筋 中部線維
起始 中部線維:第1〜6胸椎の棘突起
停止 中部線維:肩峰の内側、肩甲棘上縁
支配神経 副神経(外枝)頚神経叢(C2~4)
作用 中部線維:肩甲骨の内転、挙上、上方回旋

僧帽筋 下部線維|起始・停止・支配神経・作用

僧帽筋の下部線維は、第7〜12胸椎の棘突起から起始し、肩甲棘三角部に停止する筋です。肩甲骨の下部に付着するため、主に肩甲骨の下制(下方に引き下げる動き)に作用します。

僧帽筋  下部線維
起始 下部線維:第7〜12胸椎の棘突起
停止 下部線維:肩甲棘三角部
支配神経 副神経(外枝)頚神経叢(C2~4)
作用 下部線維:肩甲骨の下制、上方回旋、内転

僧帽筋  Trapezius Muscle
起始 上部線維:外後頭隆起、項靭帯
中部線維:第1〜6胸椎の棘突起
下部線維:第7〜12胸椎の棘突起
停止 上部線維:鎖骨外側1/3後縁
中部線維:肩峰の内側、肩甲棘上縁
下部線維:肩甲棘三角部
支配神経 副神経(外枝)頚神経叢(C2~4)
作用 上部線維:肩甲骨の挙上
中部線維:肩甲骨の内転、挙上、上方回旋
下部線維:肩甲骨の下制、上方回旋、内転

僧帽筋の機能的な役割

これまでの内容で解説したように僧帽筋は上部・中部・下部線維と3つの線維に分かれ、それぞれが肩甲骨や鎖骨、脊椎などに付着することで肩甲胸郭関節や肩鎖関節の動きなどに作用しています。

僧帽筋だけの働きとしての上方回旋の作用は少なく、鎖骨の挙上や後退による肩鎖関節に生じる動きと前鋸筋との協同作用によって、僧帽筋の上方回旋への働きが機能すると考えられます。

1つの動作に対して、複数の筋が協同して作用することをフォースカップルと言います。

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正しい知識を身につけて最適なアプローチを!

パーソナルトレーナーやインストラクター、指導者である以上、解剖学は必ず勉強しておくべき分野のひとつです。

目の前のクライアントや選手に対して、身体の構造に基づいた正しいアプローチを目指していきましょう。解剖学に関する記事は、他にもアップしているので気になる方は是非チェックしてみて下さい。

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藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B−LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
フリーランス パーソナルトレーナー兼アスレティックトレーナー 。数年間パーソナルトレーニングジムに所属して、延べ年間1300以上のパーソナルトレーニングセッションを担当し、多くのクライアントのカラダに対する不調や悩みの問題を解消する。腰椎椎間板ヘルニアや分離症、脊柱管狭窄症、半月板損傷や靭帯損傷などの膝のケガ、糖尿病の方など…一般の方をはじめ、高齢者やスポーツ選手、アスリートへのトレーニング指導も担当している。
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