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【解剖学】トレーナーが知っておくべき『脊柱』の構造と基礎知識

藤元大詩/Taishi Fujimoto

今回はトレーナーが知っておくべき『脊柱』の構造と基礎知識について解説します。前回の記事では、骨盤をテーマにお伝えしましたが、脊柱も同じく姿勢の評価やトレーニング指導する上で押さえておきたい知識のひとつです。

https://fujimototaishi.com/2022/03/19/anatomy-pelvis-trainer/

「脊柱の構造がイマイチわからない…」「脊柱の機能を知りたい」というトレーナーやインストラクター、指導者の方は、是非最後まで読み進めて下さい。

[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]一般の方(専門家以外の方)はこちらの記事がおすすめです!

https://fujimototaishi.com/2022/03/14/back-stretch-conditioning/

『脊柱』の構造と基礎解剖学

脊柱は、腰椎(5つ)と胸椎(12つ)と頚椎(7つ)の計24個の椎体で構成されています。骨盤より上から腰椎-胸椎-頚椎の順で配列されている構造です。

仙椎(5つ)と尾椎(4つ)を合わせると計33個の椎体で構成されています。仙椎は仙骨に、尾椎は尾骨に、通常、成人では一つの骨に癒合されています。

矢状面上・側面からみた時に彎曲しているのが特徴です。通常、腰椎は前彎・胸椎は後彎・頚椎は前彎という感じで交互にカーブが描かれているような状態です。この状態のことを「生理的彎曲」と表現します。

脊柱の周りには、脊柱起立筋群をはじめ、頭・頚半棘筋、頭板状筋、下頭斜筋、多裂筋、長・短回旋筋、腰内側横突間筋、腰外側横突間筋、頚後横突間筋、腰方形筋、腹横筋、大腰筋など…数多くの筋肉が付着しています。

第1〜5腰椎(Lumber Spine)の特徴

腰椎は、胸椎の下・骨盤の上に位置していて、5つの椎体で構成されています。

腰椎の関節面(椎間関節)は、矢状面の方向に強く傾斜しています。そのため、屈曲と伸展動作(矢状面上の動き)に可動しやすい構造となっています。回旋動作(水平面上の動き)には、あまり適していない構造です。

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]腰椎は約40〜50°前彎(健常者の直立姿勢)しています。

腰椎の関節可動域(参考)
屈曲(前屈) 40〜50°
伸展(後屈) 15〜20°
右回旋・左回旋 5〜7°
右側屈・左側屈 20°

表の可動域から見てわかるように、腰椎は前後の前屈や後屈・側屈の動きには優れた可動性を有しているが、捻りの回旋の動きにはあまり適していません。

第1〜12胸椎(Thoracic Spine)の特徴

胸椎は、頚椎の下・腰椎の上に位置していて、12個の椎体で構成されています。胸椎の左右には、それぞれ12個・左右合計24個の肋椎関節が存在しています。

胸椎には、前額面を向いた2つの関節面(椎間関節)があり、垂直面に対して15〜25°の角度で軽く前傾しています。椎間関節の動きは、近くに位置する肋椎関節と肋横突関節の可動性が低いことで制限されています。

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]胸椎は約40〜45°後彎(健常者の直立姿勢)しています。

胸椎の関節可動域(参考)
屈曲(前屈) 30〜40°
伸展(後屈) 20〜25°
右回旋・左回旋 30〜35°
右側屈・左側屈 25〜30°

表の可動域から見てわかるように、胸椎は3面上の運動全てにおいて可動できる構造となっています。胸椎は胸郭を形成することから、脊柱の中では機能的に安定した組織・構造となっています。

第1〜7頚椎(Cervical Spine)の特徴

頚椎は、頭部(頭蓋骨)の下・胸椎の上に位置して7つの椎体で構成されています。頚椎の1番・2番・7番は、特徴的な形状をすることから、第1頚椎は「環椎」、第2頚椎は「軸椎」、第7頚椎は「隆椎」と呼ばれています。

後頭骨(頭蓋骨)と環椎(第1頚椎)の間には、環椎後頭関節という関節があります。この関節があることで頭蓋骨は独立した運動が可能となっています。環椎の上関節面が凹面で凸面の後頭顆から関節が形成されています。

環軸関節と環椎後頭関節には、椎間板が存在しないことも特徴のひとつです。

第1・2頚椎を上位頚椎、第3〜7頚椎を下位頚椎として分類されています。

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]頚椎は約30〜35°前彎(健常者の直立姿勢)しています。

頸部の関節可動域(参考)
屈曲 60°
伸展 50°
右回旋・左回旋 60°
右側屈・左側屈 50°

上記の表に記した参考可動域は「頸部」だけの可動域です。

頭頸部全体の関節可動域(参考)
屈曲(前屈) 45〜50°
伸展(後屈) 75〜80°
右回旋・左回旋 65〜75°
右側屈・左側屈 35〜40°

上記の表に記した参考可動域は、頭部も含めた「頭頸部」全体の可動域です。

『脊柱』の生理的な彎曲

脊柱は、全体がカーブしていて彎曲している状態になっています。健常者の一般成人の方では、頚椎が約30-35°前彎、胸椎が約40°後彎、腰椎が約45°前彎しています。

この生理的な彎曲構造は、大事な機能的役割を担っています。

『脊柱』の機能・役割

脊柱は、大きくつの働き・役割をもっている。1つ目は「身体を支える柱」としての役割、2つ目は「身体を動かす」機能、3つ目は「内臓を守る」働き、4つ目は「脊髄や神経を保護する」役割がある。

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]基本的な脊柱の構造的な役割は上記の3つ。横から見たときにわかる脊柱の生理的な彎曲にも、大事な機能的な役割があるので一緒に覚えておきましょう

[box06 title=”脊柱の生理的な彎曲3つの役割”]

  1. 身体に加わる衝撃を吸収する
  2. 脊柱のカップリングモーション
  3. 骨連鎖を維持する

[/box06]

脊柱のカップリングモーションとは?

脊柱のカップリングモーションは、頚椎と胸椎と腰椎の回旋動作と側屈動作時に起こる現象のことを指します。まずはイメージしやすいように脊柱が右回旋した場合に起こる胸椎と腰椎のカップリングモーションを図解しています。

このように脊柱が右回旋したときには、胸椎は右に側屈・腰椎は左に側屈します。このような動きの繋がりをカップリングモーションと言います。図解でわかるように、わずかな可動範囲で側屈運動が行われています。

回旋動作時のカップリングモーション
上位頚椎 反対への側屈
下位頚椎 同側への側屈
胸椎 同側への側屈
腰椎 反対への側屈

このカップリングモーションは、頚椎でも同じような現象が起こるようになっています。

側屈動作時のカップリングモーション
上位頚椎 反対への回旋
下位頚椎 同側への回旋
胸椎 同側への回旋
腰椎 反対への回旋

逆に側屈するときには、回旋するようになっています。つまり、回旋するにも、側屈するにも、双方の可動性が求められるということです。

このような動きの繋がりを理解することでより本質的なアプローチができるようになると思います。

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正しい知識を身につけて最適なアプローチを!

パーソナルトレーナーや指導者である以上、解剖学は必ず勉強しておくべき分野のひとつです。

脊柱は、スポーツ選手・一般の方問わず、競技動作・日常生活動作場面の中で大事な役割を果たす組織です。スポーツパフォーマンス・ライフパフォーマンスの向上、障害予防のために機能させるべき組織です。

脊柱の構造・役割を理解した上で、目の前のクライアントや選手に対して、正しいアプローチを目指していきましょう。

https://fujimototaishi.com/2022/03/19/anatomy-pelvis-trainer/

https://fujimototaishi.com/2022/03/26/anatomy-spine-trainer/

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藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B−LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
フリーランス パーソナルトレーナー兼アスレティックトレーナー 。数年間パーソナルトレーニングジムに所属して、延べ年間1300以上のパーソナルトレーニングセッションを担当し、多くのクライアントのカラダに対する不調や悩みの問題を解消する。腰椎椎間板ヘルニアや分離症、脊柱管狭窄症、半月板損傷や靭帯損傷などの膝のケガ、糖尿病の方など…一般の方をはじめ、高齢者やスポーツ選手、アスリートへのトレーニング指導も担当している。
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