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【解剖学】トレーナーが知っておくべき『体幹インナーマッスル』4つの筋肉と基礎知識

藤元大詩/Taishi Fujimoto

今回は解剖学シリーズということでトレーナーが知っておくべき『体幹インナーマッスル』4つの筋肉と基礎知識について解説します。体幹部、脊椎の機能的な構造を理解する上で必ず知っておきたい知識のひとつです。

脊椎と骨盤と胸郭の解剖については下記の記事でも解説しているので是非ご覧ください。

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【解剖学】トレーナーが知っておくべき『骨盤』の構造と基礎知識

【解剖学】トレーナーが知っておくべき『胸郭』の構造と基礎知識

体幹インナーマッスルとは?

体幹インナーマッスルは、一般的に横隔膜と腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の4つの筋で構成されていると言われています。これら4つの筋肉はすべて深層に位置しています。深層に位置している筋肉をインナーマッスルと呼んでいます。

脊椎周辺(体幹部)には、この4つの筋肉以外にもインナーマッスル(大腰筋や腰方形筋、内腹斜筋など…)は存在しています。

4つの筋肉が体幹「インナーユニット」と呼ばれる

体幹には他にもインナーマッスル(深層に位置する筋肉)があるのに、なぜ「横隔膜」と「腹横筋」と「多裂筋」と「骨盤底筋群」の4つが俗に言うインナーマッスルと呼ばれているのでしょうか。

これら4つの筋肉が協同して「腹腔内圧(IAP)」を上昇させて「腰椎骨盤帯(体幹部)」を安定させている!

複数の筋肉が1つの組織として腹腔内圧を高めるために作用しているということです。そのため、これら4つの筋肉はインナーユニット(複数の深層筋で構成)と呼ばれたりもしています。

①横隔膜|起始・停止・支配神経・作用

横隔膜  Thoracic Diaphragm
起始 腰椎部:右内側脚)第1〜4腰椎
左内側脚)第1〜3腰椎
外側脚)内側・外側弓状靭帯
肋骨部:第7〜12肋軟骨の内面
胸骨部:剣状突起後面、腹直筋鞘の後葉
停止 腱中心
支配神経 横隔神経
作用 吸気(主働筋)
腹腔内圧の上昇

横隔膜の鍛え方!体幹インナーマッスルを効率的に鍛える方法を徹底解説

②腹横筋|起始・停止・支配神経・作用

腹横筋  Musculus Transversus Abdominis
起始 第7〜12肋軟骨内側面
胸腰筋膜深葉
腸骨稜
上前腸骨棘内唇
腸腰筋膜
停止 剣状突起
白線
恥骨稜
支配神経 肋間神経
作用 腹腔内圧の上昇
内臓の支持
強力な呼気
腹部緊張の維持

③多裂筋|起始・停止・支配神経・作用

多裂筋  Multifidus
起始 後仙骨孔とPSISとの間の仙骨後面
腰椎の乳様突起
全胸椎の横突起
第4〜7頚椎の関節突起
停止 各起始部から2〜4分節上位の椎骨棘突起
支配神経 脊髄神経後枝
作用 脊柱の伸展(両側性収縮)
脊柱の抗側屈・抗回旋(片側性収縮)

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④骨盤底筋群|起始・停止・支配神経・作用

骨盤底筋群  Pelvic Floor Muscles
浅層 外肛門括約筋、外尿道括約筋
球海綿体筋、坐骨海綿体筋など
中間層 尿生殖隔膜
深層 尾骨筋、肛門挙筋
(恥骨直陽筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)
※内閉鎖筋や梨状筋などを含める場合もある

体幹インナーユニットの役割とは?

それぞれの筋一つ一つに役割・作用がある中で4つの筋が体幹のインナーユニットとして機能したときの役割は、腹腔内圧の上昇(IAP上昇)です。

これら4つの筋が活性化して正常に機能していれば、腹腔内圧が上昇して腰椎や骨盤帯は安定した状態となります。

1つの筋肉の機能が低下している(使えなくなっている)と、腹圧が入りにくい状態になっている可能性が高いです。腹圧を高めるためには、これら4つの筋群(インナーユニット)をバランス良く機能させる必要があると考えられます。

正しい知識を身につけて最適なアプローチを!

今回は、体幹部のインナーマッスル(4つのインナーユニット)をテーマにお伝えしました。インナーユニットは、スポーツ動作だけでなく、何気ない普段行う日常生活動作でも、とても大切な役割を果たしています。

身体に携わる専門家(トレーナーや医療従事者など)は、身体の構造(解剖学や生理学)について正しく理解することが重要です。体幹部の機能評価やトレーニング指導する際に役立てていただけると幸いです。

当ブログでは、スポーツ現場で指導するトレーナーやパーソナルトレーナー、医療従事者の方に向けての記事もたくさんUPしています。理解しやすいように図解やイラストも加えているので是非参考にしてください。

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ABOUT ME
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B−LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
フリーランス パーソナルトレーナー兼アスレティックトレーナー 。数年間パーソナルトレーニングジムに所属して、延べ年間1300以上のパーソナルトレーニングセッションを担当し、多くのクライアントのカラダに対する不調や悩みの問題を解消する。腰椎椎間板ヘルニアや分離症、脊柱管狭窄症、半月板損傷や靭帯損傷などの膝のケガ、糖尿病の方など…一般の方をはじめ、高齢者やスポーツ選手、アスリートへのトレーニング指導も担当している。
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