【解剖学】トレーナーが知っておくべき『ハムストリングス』の役割と基礎知識

藤元大詩/Taishi Fujimoto

今回は解剖学シリーズということでトレーナーが知っておくべき『ハムストリングス』の役割と基礎知識について解説します。股関節・膝関節の機能的な構造を理解する上で必ず知っておきたい知識のひとつです。

ハムストリングスとは?

ハムストリングス|構成する3つの筋と特徴

ハムストリングスは、大腿二頭筋と半腱様筋と半膜様筋の3つの筋で構成されます。大腿部後面に位置し、大腿四頭筋と拮抗する関係性で活動する筋です。3つの筋は近位で坐骨結節に付着し、遠位側では脛骨と腓骨に付着しています。

大腿二頭筋|起始・停止・作用・支配神経

大腿二頭筋(BFM)は名の通り、長頭と短頭の2つに分かれています。大腿二頭筋の長頭は坐骨結節から、短頭は大腿骨粗線の外側から起始し、腓骨頭に停止しています。

停止部は腓骨頭の他にも、外側側副靭帯(LCL)と膝関節の外側の関節包、脛骨外側粗面にも付着しています。

大腿二頭筋  Biceps Femoris Muscle
起始 長頭:坐骨結節
短頭:大腿骨粗線の外側唇の中部1/3、外側筋間中隔
停止 腓骨頭
支配神経 長頭:脛骨神経
短頭:総腓骨神経
作用 膝関節の屈曲
股関節の伸展と内転
下腿の外旋(膝関節屈曲位)

半膜様筋|起始・停止・作用・支配神経

半膜様筋(SM)は坐骨結節から起始し、脛骨の内側顆に停止しています。

停止部は脛骨の内側顆の他にも、内側側副靭帯(MCL)と内側半月板、外側半月板、斜膝窩靭帯、膝窩筋にも付着しています。

半膜様筋  SemiMembranosus
起始 坐骨結節
停止 脛骨の内側顆
支配神経 脛骨神経
作用 膝関節の屈曲
股関節の伸展
下腿の内旋(膝関節屈曲位)

半腱様筋|起始・停止・作用・支配神経

半腱様筋(ST)は坐骨結節から起始し、脛骨粗面の内側に停止しています。半腱様筋は、半膜様筋よりも表層に位置しています。半腱様筋と縫工筋、薄筋の3つの腱は、鵞足を形成しています。

半腱様筋  SemiTendinosus
起始 坐骨結節
停止 脛骨粗面の内側
支配神経 脛骨神経
作用 膝関節の屈曲
股関節の伸展
下腿の内旋(膝関節屈曲位)

ハムストリングスの筋連結

ハムストリングスはそれぞれの筋が他の部位の筋と繋がっています。中間広筋は大殿筋と大腿二頭筋と、内側広筋は大内転筋と恥骨筋と長内転筋と短内転筋と、外側広筋は大殿筋と大腿筋膜張筋と中殿筋と大腿二頭筋と大腿方形筋と連結しています。

ハムストリングスの機能的な役割

ハムストリングスは主に股関節の伸展と膝関節の屈曲に作用します。骨盤の坐骨結節に付着することで骨盤の後傾作用に大きく貢献します。また、上半身(体幹部)を前傾させる際にブレーキ(抑制)の役目も担っています。

スポーツ動作の場面でよく起こる減速、ストップ動作では、ハムストリングスが遠心性収縮して上半身が前方に行き過ぎないために大殿筋とともに働いてくれています。

また、跳躍動作やスプリント動作においても大きな筋力を発揮し、重要な役割を果たしています。

日常生活においても立つ、座る、階段の上り下り、歩くなど…下半身を動かす殆どの場面で使われています。

https://fujimototaishi.com/2022/04/04/anatomy-hipjoint-trainer/

ハムストリングスのトレーニングとストレッチ

ハムストリングスを強化する筋力トレーニング

①ミニバンド・レッグカール

②シングルレッググルートブリッジ

③ルーマニアンデッドリフト

ハムストリングスを伸ばすストレッチ

①仰臥位-ハムストリングス・スタティックストレッチ

②ジャックナイフ

③ヒップフレクサー・エルボー トゥ インステップ

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正しい知識を身につけて最適なアプローチを!

パーソナルトレーナーやインストラクター、指導者である以上、解剖学は必ず勉強しておくべき分野のひとつです。

目の前のクライアントや選手に対して、身体の構造に基づいた正しいアプローチを目指していきましょう。解剖学に関する記事は、他にもアップしているので気になる方は是非チェックしてみて下さい。

https://fujimototaishi.com/2022/04/13/anatomy-scapula-trainer/

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ABOUT ME
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B−LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
フリーランス パーソナルトレーナー兼アスレティックトレーナー 。数年間パーソナルトレーニングジムに所属して、延べ年間1300以上のパーソナルトレーニングセッションを担当し、多くのクライアントのカラダに対する不調や悩みの問題を解消する。腰椎椎間板ヘルニアや分離症、脊柱管狭窄症、半月板損傷や靭帯損傷などの膝のケガ、糖尿病の方など…一般の方をはじめ、高齢者やスポーツ選手、アスリートへのトレーニング指導も担当している。
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