【機能解剖学】トレーナーが知っておくべき『骨盤と下肢の運動連鎖』とは
運動連鎖(キネティックチェーン)とは
今回は、トレーナーであれば必ず知っておくべき知識『骨盤と下肢の運動連鎖』について解説したいと思います。
まずは、運動連鎖について簡単に解説したいと思います。
運動連鎖とは、連なって配列された複数の関節の連結(股関節と膝関節と足関節の関係のように)をもとに生じる現象(連鎖的な反応)のことです。
身体のある部位の動きやアライメントが変化することで連なっている筋肉の働き・関節の動き・アライメント変化を通じて次々に動きが波及していきます。
『骨盤と下肢の運動連鎖』について
わかりやすい代表的な運動連鎖として「下肢の上行性・下行性運動連鎖」が挙げられます。この上行性運動連鎖・下行性運動連鎖とは、骨盤から足部・足部から骨盤への運動連鎖の反応のことを表します。
上行性運動連鎖は、足部の動きから足関節→脛骨→膝関節→大腿骨→股関節→骨盤と下(足部)から上(骨盤)にかけて連鎖して起こる反応のことです。
下行性運動連鎖は、上行性とは逆で骨盤の動きから股関節→大腿骨→膝関節→脛骨→足関節→足部と上(骨盤)から下(足部)にかけて連鎖して起こる反応のことです。
下行性運動連鎖|骨盤の前方回旋
骨盤前傾に伴う下行性運動連鎖の場合、股関節の屈曲・内転・内旋→大腿骨の後方・内側・内旋→膝関節の伸展・外反・外旋→脛骨の後方・内側・内旋→足関節の回内の骨連鎖が起こります。
下行性運動連鎖|骨盤の後方回旋
骨盤後傾に伴う下行性運動連鎖の場合、股関節の伸展・外転・外旋→大腿骨の前方・外側・外旋→膝関節の屈曲・内反・内旋→脛骨の前方・外側・外旋→足関節の回外の骨連鎖が起こります。
上行性運動連鎖|足関節の回内
足関節の回内に伴う上行性運動連鎖の場合、脛骨の後方・内側・内旋→膝関節の伸展・外反・外旋→大腿骨の後方・内側・内旋→股関節の屈曲・内転・内旋→骨盤の前方回旋の骨連鎖が起こります。
上行性運動連鎖|足関節の回外
足関節の回外に伴う上行性運動連鎖の場合、脛骨の前方・外側・外旋→膝関節の屈曲・内反・内旋→大腿骨の前方・外側・外旋→股関節の伸展・外転・外旋→骨盤の後方回旋の骨連鎖が起こります。
正しい知識を身につけて最適なアプローチを!
パーソナルトレーナーやインストラクター、指導者である以上、解剖学や運動力学などの基本知識は必ず勉強しておくべき分野のひとつです。今回お伝えした骨盤・下肢の運動連鎖(キネティックチェーン)についても身体の基本構造を理解する上で大事な知識の1つです。
目の前のクライアントや選手に対して、身体の構造に基づいた正しいアプローチを目指していきましょう。解剖学に関する記事は、他にもアップしているので気になる方は是非チェックしてみて下さい。