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【機能解剖学】トレーナーが知っておくべき『肩甲上腕リズム』とは

藤元大詩/Taishi Fujimoto

肩甲上腕リズム(Scapulohumeral Rhythm)とは

今回は、トレーナーであれば必ず知っておくべき知識『肩甲上腕リズム(Scapulohumeral Rhythm)』について解説したいと思います。

まずは、肩甲上腕リズムとは何かについて簡単に解説したいと思います。

肩甲上腕リズムとは、肩関節を外転させる際の運動学のこと。健常な方では肩甲上腕関節の外転と肩甲胸郭関節の上方回旋との間に自然な運動学的リズムがあります。

この肩甲上腕リズムは、スポーツ現場や医療現場の臨床において非常に大事な知識の一つになります。とくにオーバーヘッド系のスポーツ競技、肩甲帯周辺に起こる疼痛・違和感との関係性は深いと思います。

【機能解剖学】トレーナーが知っておくべき『腰椎骨盤リズム』とは

正常な肩甲上腕リズム

肩関節の外転が30°を過ぎると多くの場合、2:1(肩甲上腕関節:肩甲胸郭関節)の割合になると言われています。つまり、全可動域の180°外転させた場合、肩甲上腕関節は120°外転、肩甲胸郭関節は60°上方回旋している状態ということです。

肩甲骨が全く動作しないような状態になって、肩甲上腕リズムに基づいて考えると…肩関節は120°程度までしか動作しない、もしくは、それ以下の可動域になってしまうことがわかると思います。

外転した際の肩甲帯の周辺の関節の動き

肩関節を外転させる際は、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の運動だけではありません。肩甲帯・肩関節複合体には、肩鎖関節(AC)胸鎖関節(SC)などの関節もあります。

肩甲胸郭関節の上方回旋に伴う肩鎖関節(AC)と胸鎖関節(SC)の動き

肩関節の全可動域180°の動作時、肩甲胸郭関節は通常60°の上方回旋が生じるが、同時に胸鎖関節の挙上・肩鎖関節の上方回旋が組み合わさるように動作しています。

胸鎖関節では約25°の挙上、肩鎖関節では約35°の上方回旋が起こる。

また、胸鎖関節の25°の後方回旋・15°の後退肩甲上腕関節の45°外旋も肩関節外転動作時に関係している運動学です。

[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]肩甲骨の構造と基礎知識については↓コチラの記事で詳しく解説しています!

【解剖学】トレーナーが知っておくべき『肩甲骨』の構造と基礎知識

完全な肩関節外転に関係する6つの運動学的原則

[box06 title=”完全な肩関節外転に関係する6つの運動学的原則”]

  1. 肩甲上腕リズム2:1に基づくと、自動的肩外転180°は、肩甲上腕関節(GH)120°の外転と肩甲胸郭関節60°の上方回旋の結果
  2. 完全な肩の外転の際、肩甲骨の60°の上方回旋は、胸鎖関節(SC)の挙上と肩鎖関節(AC)の上方回旋の結果
  3. 肩の外転の際の胸鎖関節(SC)での鎖骨の後退
  4. 完全な肩の外転の際の肩甲骨の後退と外旋
  5. 肩の外転の際の鎖骨の長軸周りの後方回旋
  6. 肩外転の際の肩甲上腕関節(GH)の外旋

[/box06]

 

正しい知識を身につけて最適なアプローチを!

パーソナルトレーナーやインストラクター、指導者である以上、解剖学や運動力学などの基本知識は必ず勉強しておくべき分野のひとつです。今回お伝えした腰椎骨盤リズムについても身体の基本構造を理解する上で大事な知識の1つです。

目の前のクライアントや選手に対して、身体の構造に基づいた正しいアプローチを目指していきましょう。解剖学に関する記事は、他にもアップしているので気になる方は是非チェックしてみて下さい。

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ABOUT ME
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
藤元大詩/FUJIMOTO TAISHI
B−LEAD代表パーソナルトレーナー/講師
フリーランス パーソナルトレーナー兼アスレティックトレーナー 。数年間パーソナルトレーニングジムに所属して、延べ年間1300以上のパーソナルトレーニングセッションを担当し、多くのクライアントのカラダに対する不調や悩みの問題を解消する。腰椎椎間板ヘルニアや分離症、脊柱管狭窄症、半月板損傷や靭帯損傷などの膝のケガ、糖尿病の方など…一般の方をはじめ、高齢者やスポーツ選手、アスリートへのトレーニング指導も担当している。
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